2018年 01月 22日 ( 1 )

雪中の枯れ紫陽花と辞書解説の修訂

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関東は大変な大雪だそうですが札幌は上のような感じです

紫陽花と言えばつい先日
植物学者・牧野富太郎の『植物知識』(講談社学術文庫1981年)を
読んでいて 下のような記述を目にしました

「この紫陽花は、中国人でもそれが何であるか、その実物を知って
いないほど不明な植物で、ただ中国の白楽天の詩集に、わずかに
その詩が載っているにすぎないものである」(カキツバタの条項中)

白楽天(白居易)の詩に文字通り「紫陽花」という題の作品があります

杭州のあるお寺の紫の花があまりに可憐だったので
「君に紫陽花の名をつけてやろう」とうたったのです

紫陽花という花名は白居易の創造だったわけですが
ほかの人が使ったかどうか調べてみました

孫引きは別として四庫全書という大叢書のなかで「紫陽花」が
ヒットするのは白居易の詩「紫陽花」のほかには 宋・周文璞の
詩「句曲山中只白雲」だけでした

つまり中国ではほとんど使われない花名です

そこで『漢辞海』の【紫陽花 シヨウカ/あじさい】の項目を次版から
以下のように修訂することにしました

カッコ内の新分類科名と[注]以下が加筆されることになります

「ユキノシタ科(新分類ではアジサイ科)の落葉低木。
初夏に薄紫の花を開き、土の成分によって、紫・淡紅色
に変わる。[注]日本固有種のアジサイに白居易が考え
出した「紫陽花」の文字をあてたのは『和名類聚抄』で
あるが、アジサイと白居易がその詩「紫陽花」において
命名した紫の花は別物で、後者が何であったかは不明。」

またひとつスッキリしました

【追記】白居易が紫陽花の言葉を創作したお寺は招賢寺といいますが
その跡地は西湖の湖畔にあって中国の寺廟紹介サイトに写真があります
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ああ 杭州には通算4ヶ月暮らしたので この道は何十回と通った道ですよ

今日調べてみるまで招賢寺跡だとは知りませんでした
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使用機材→クリック
by zuoteng_jin | 2018-01-22 17:20 | Vito III | Comments(0)