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十連休と連休中のお仕事

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ほかの写真を撮っていたらそばに子供の世話をするイクメンがいました
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ほかの写真というのは上のジョギングのショットです

十連休はスポーツに打ち込む人や
出かけるにしろ出かけないにしろ 家族で楽しむ人がいるでしょう

我が家も孫たちがやって来ました

ただ私は基本的にはお仕事が続きます
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B5判程度の大きさで11冊 平積みで13センチほどの古字書について
全巻悉皆調査をしています

毛利貞斎(モウリテイサイ)という人が元禄四(1691)年に編んだ
『増続大広益会玉篇大全(ゾウゾクダイコウエキカイギョクヘンタイゼン)』
という漢字字書です
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これの「月」を見ると漢音「ゲツ」呉音「グハツ」の読みがついています

16世紀までにできた漢字字書の読みというか表記は
漢音は「ゲツ」ではなく「グヱツ」で 呉音は「グハツ」ではなく「グワツ」です

ついでに「光」もふつうは「クハウ」ではなく「クワウ」でした

毛利さんがどうしてこんな表記をしたかというと
1596年にヤソ会宣教師が作った漢字字書
『落葉集』の表記を採用したからなんです

上の画像で分かるように『落葉集』「月光」は
漢音「げつくハう」呉音「ぐハつくハう」なんですね

『落葉集』を作った宣教師たちは伝統的な字音表記よりも
実際に耳で聴いた発音を書きました

当時の「ハ」は唇を狭める発音でしたから
「ワ」よりも真似がしやすかったのです

それはともかく 『落葉集』の先駆的研究者土井忠生博士は
日本の後世にほとんど影響がなかったと言っていました(「落葉集攷」)

しかし私は軍記物語『保元物語』の代表的な写本は
『落葉集』を使って詳細な読み仮名がつけられたことを論文に書きました
(『源平の時代を視る』思文閣出版所収)

今度は元禄から明治までもっとも流布した毛利字典が
『落葉集』を参照したことは明らかでそれを論証します

何しろ 『落葉集』以外には
「ゲツクハウ」「グハツクハウ」に一致する先行字書は皆無です

現在『落葉集』原本は世界に6点しか残っていません

元禄時代には日本でも手に入ったと思うのは
現在大英博物館にある1点は 明治の英国外交官アーネスト・サトウが
東京の古本屋達磨屋で見つけて買い取ったというぐらいですからね

毛利さんが『落葉集』を見たと考えて不自然ではないです

漢字音読みの研究は案外見逃されてきましたから
しっかり調査して論ずるつもりですが
そのためにもこの十連休は有り難いです
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Vitessa L(1953年製)
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by zuoteng_jin | 2019-04-27 17:46 | Vitessa L ULTRON | Comments(0)
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