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桔梗・僧帽花・包袱花

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桔梗という言葉はけっこう古くから使われました

紀元前300年頃に 学者を集めて善政を敷いた名君・斉の宣王に有能の士を
多数推薦した遊説の徒のことばに「柴胡(サイコ)や桔梗を湿地で探し求めても
何世代かけたところで一つも見つかりはしません(適所で探せば車いっぱい
見つかります)」と出てきます(『戦国策』)

この当時から桔梗は薬種として柴胡とともに使われていたことが分かります

紀元後200年頃の漢方の古典『傷寒論』には
「少陰病、二三日、咽痛する者は、甘草湯を与ふべし。差(い)えざる者は、
桔梗湯を与ふ」とあって のどの痛みにはまず甘草湯 それで治らない場合は
桔梗湯を投与する と言っています

桔梗の根に含まれるサポニン成分が鎮咳去痰に有効で 今でも桔梗石膏などの
漢方エキス剤があって よく扁桃腺を腫らした私は 常備薬にしていました

青木正児「夜裏香の花」という文に 北京の花売りから桔梗を買ったエピソー
ドがあります(『琴棊書画』)

花屋に「シュン・グワン・マオ」と言われて漢字表記を想像し「雄官帽」でも
なさそうだし「陞官帽」でもなさそうなので 帰国後にネイティブに質問した
ところ「僧官帽」かも知れないと教えられてやっと得心した由です

確かに今の中国語に 桔梗の異称として「僧帽花」というのがあります

ただ青木正児が「開いた形が和尚の帽子に似ているという」と書いているのは
どうでしょうか

私には桔梗の開いた形に似た僧帽というのがよく分かりません

僧帽がどんなものかといえば 最澄の木像や図像にある頭巾がそれだとするのが
中国のネット上の解説にありました

中国には「僧帽花」とは別に「和尚帽」という花があるそうでこれがいかにも
最澄の頭巾に良く似ています

今日の写真に蕾を写し込んでおきましたが 蕾が最澄の愛用した頭巾に似て
いるから「僧帽花」というのだと私は思っています

ちなみに中国語のもう一つの名前は「包袱花」ですが「包袱」とは「ふろしき包」
ですから やはり桔梗の「開いた形」のイメージとは違います
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BESSA R3A(2007年コシナ製)

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by zuoteng_jin | 2018-07-20 17:30 | Bessa R3A | Comments(0)
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