滑る道と麻生が有無をユウムと読んだことについて

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雪の上に雨が降った後の道はよく滑ります

内閣総辞職を迫られるような安倍政権の悪事が
朝日新聞のスクープで暴かれました

麻生財務相が辞任することまでは恐らく避けられないでしょうが
狡猾極まりない安倍首相は自分だけは逃げ切ろうと
この週末は大わらわだろうと思います

ところで麻生は会見で「文書の有無(ユウム)」という読み方をしました

かつて未曾有をミゾウユウと読んだ前科があるので
ネット上では麻生がまた無学をさらしたと取りざたされました

これは確かに誤読です

しかるに麻生の肩を持つネット民から
ユウムという読み方だって辞書に書いてあると
ネット上の「大辞林」などを引用して援護射撃がありました

残念ながらユウムは誤読が拡散したものなんですね

「有無」は本来仏教とともに入ってきた語彙ですから
有を呉音でウと読み
無も呉音でムと読んで受け入れました

しかし十三世紀以後に呉音より漢音読みが推奨されるようになると
有を漢音でユウと読み
無も漢音でブと読むようになりました

そう読んだ証拠は十四世紀の『太平記』にあります

また手元の古字書の複製本を見てみると
十五世紀後半にできた文明本『節用集』には
はっきりと「有無ユウブ」という読み仮名がつけられています

ですから有無は呉音読みでウム 漢音読みでユウブが
江戸末期まで誤りなく読まれてきたのです

ただ 日常語に入った仏教読み
すなわち呉音の定着度はこの語に限らず強固だったので
ウムのほうが定着してしまいました

しかし明治時代半ばになると
漢文漢語の認識が怪しくなった小説家が漢音呉音混ぜこぜに誤って
ユウムと読む事例が発生したのです

そのユウムを後の辞書が採録しただけなのです

辞書の読みは その辞書がどこからその読みを採録したものか
そこまでしっかり検討しないと
半端なネット民が半可通ぶりを露呈するという落ちになります

【追記】
手元の小型国語辞典を開くと
三省堂「新明解国語辞典」・岩波書店「岩波国語辞典」・新潮社「新潮現代国語辞典」
どこにもユウムの見出しは立っていません

やはり日常語として ユウムの読みには無理があります
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Rollei 35 Germany 2(1967年製)

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by zuoteng_jin | 2018-03-11 17:48 | Rollei35 Germany 2 | Comments(0)
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