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雪上タイヤの自転車と雨水に思い出す杜甫の詩

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二十四節気の雨水ですね

雨水は気温が零下からプラスに転ずる境目だといいますが
札幌はまだまだこういう自転車が活躍しています

春の雨ということで思い出すのは
杜甫50歳の時の詩「春夜喜雨」です

好雨知時節  好雨(コウウ)時節(ジセツ)を知る
當春乃發生  春(はる)に當(あた)り乃(すなわ)ち發生(ハッセイ)す
隨風潛入夜  風(かぜ)に隨(したがっ)て潛(ひそか)に夜(よる)に入(い)る
潤物細無聲  物(もの)を潤(うるお)して細(かすか)にして聲(こえ)無(な)し

野徑雲俱黑  野徑(ヤケイ)雲(くも)俱(とも)に黑(くろ)く
江船火獨明  江船(コウセン)火(ひ)獨(ひと)り明(あきらか)なり
曉看紅溼處  曉(あかつき)に紅溼(コウシツ)の處(ところ)を看(み)れば
花重錦官城  花(はな)は重(おも)し 錦官城(キンカンジョウ=成都)

訓読というのは 意味の取り方が同じでも読み方が異なることがあります

上の読み方は昨日の写真でご紹介した書架天板の『文選(もんぜん)』
その左側下部に積んである白いカバーの『杜律集解(しっかい)』によります

『杜律集解』という本は元禄時代に何度も版を重ねたベストセラーで
かの松尾芭蕉が杜甫に親しんだ本がこれでした

天板に積んである本も元禄九年(1696年)
芭蕉没後二年刊行の現物です

それにしても春雨の滋味を夜に描写し
それでいて視覚的に鮮やかなのは さすが詩聖の作品ですね

【私訳】好雨は時節にちゃんと合わせて降ってくる
春に合わせているので 草木が萌え出てきた
風に伴ってひっそりと夜間に落ちてきて
生き物を潤すが 細やかなので音も立てないのだ

田舎道も垂れる雲もともに黒々として
川船の灯りだけが明るくともっている
夜明けに紅く湿ったものは何かとみれば
成都の街に妖艶な美を添える花なのであった
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Vitessa L(1953年製)
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by zuoteng_jin | 2018-02-19 18:18 | Vitessa L ULTRON | Comments(0)
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