雪のサイクリングロードと閻連科の日照り小説「年月日」

c0182775_1637366.jpg

2月は時のたつのが速いです

この写真は半月ほど前に撮っていますが
白い雪は昨今すでに汚れてきています

雪の季節に読む枕頭書は
閻連科の千年に一度の干ばつにあえぐ小説「年月日」でした
c0182775_16445181.jpg

facebook友達が翻訳を読んだということで
私も原書を入手して読んでみました
c0182775_1647874.jpg

翻訳はどうなっているか分かりませんが
「」で囲むべき直接話法に「」が無いので
最初は読みにくかったのですが
それは二三頁で慣れました

「年月日」はこの紙面で八十一頁の中編小説ですが
途中でだれることが無く最後まで
適度な緊張感で引っ張ってくれます

題材や描き方は中国の伝統文学や現代文学によくあるものですが
私には多彩な擬声擬態語の使い方が新鮮でした

これを翻訳で上手く表現するのは難しい作業です

とかく翻訳は色々と配慮を要するもので
日照りの太陽に目を焼かれて失明した犬を
原文では「瞎子」と呼びますがメナシと訳されています

差別用語になるので「めくら」と訳していませんが
メナシというよりはメクラのニュアンスが本当は適切です

翻訳のことはさておき小説としては十二分に楽しめます

「年月日」は国内で第二回魯迅文学賞を受賞し
海外では別の作品でフランツ・カフカ文学賞を受賞しています

いまノーベル文学賞に最も近い作家とも言われています

長編小説の「炸裂志」も面白そうなので
いずれは読んでみたいと思いました
c0182775_18101867.jpg




Contax T2

c0182775_1745720.jpg

by zuoteng_jin | 2017-02-25 17:17 | Contax T2 | Comments(2)
Commented by yumeo at 2017-02-25 18:23 x
原書の装丁がよいですね。翻訳本の装丁もよかったのですが、老人と犬の姿が具体的すぎて、読んでいてイメージがそれから離れられなかったのがちょっと残念といえば残念でした。
Commented by zuoteng_jin at 2017-02-25 19:50
yumeoさんコメントありがとうございます。確かに翻訳の装丁はネタばれギリギリですね。原書は、「黒白閻連科中編四書」4冊「黒白閻連科長編四書」4冊「黒白閻連科散文四書」4冊の12冊シリーズのひとつです。左上の白い線は4冊合わせると一つの漢字になるごとくです。
中国の本の装丁は、80年代半ばまでのものが好きです。色を変えると印刷時にローラーを替えるのが昔の輪転機ですが、中国ではローラーの数が足りないので、同系統の色彩で、濃淡だけを変えて印刷しました。その結果きわめて品の良い表紙が刷り上がったのです。色を自由に使えるようになってからは下品な色遣いが多くなりました。
<< 目の不自由な奥さんを導く夫婦と... 桜えびタルタルバーガーと床屋政談 >>