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雨上がりの足跡と松本十郎の屯田兵激励詩画

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この夏秋に大改造された公園です

かつては移設した水飲み場の右わきに素晴らしい白樺がありましたが
無残にもこの大白樺を切り倒してしまいました

今年 市内の公園の改造工事が
あちこちで実施されましたが
どうしてあの木を切ったのかと思うようなところがありました

今日はお隣の白石区役所にある「郷土館」の展示を調査に行きました
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これは明治7年に 松本十郎が
時の政府から期待した処遇を得られなかった屯田兵たちを
気落ちするなと励ますために書いた詩と画です

詩は五言古詩の体で取り敢えず以下のように訓読できます(〔〕内は現代語訳)

古の兵は 皆 農なり 〔昔の兵士はみな農民でもあった〕
農 富めば 兵も亦強し 〔農民が豊かであれば兵士も強くなる〕
古の士は 皆 農なり 〔昔の兵士はみな農民でもあった〕
農 朴なれば 士も亦良なり 〔農民が純朴であれば兵士も良士になる〕
兵農 一にして以て分かてば 〔兵農はひとつであるのに分断すれば〕
甲冑 餘糧無し 〔甲冑はあっても兵糧に余裕がなくなり〕
士農 一にして以て分かてば 〔兵農はひとつであるのに分断すれば〕
耒耜 文章無し 〔鋤鍬は扱えても文字の読み書きができない〕
これを分かてば則ち両(ふたつながら)傷(やぶ)れ 〔二つに分けてしまえば両方とも失敗し〕
これを合すれば則ち理(ことわり)を一にす 〔一つに合わせてしまえば合理的というものである〕
請う当路の人に語らん 〔地位のある人に申し上げたい〕
治乱は実(まこと)に此(ここ)より始まると 〔為政の根本はそこから始まると〕

松本十郎は詩と画を与えて
「勉めよ勉めよ 手稲の諸秀生よ 詩と画の意を空しくするなかれ」
と書き添えています(右の軸)


今日これを調査に行ったのは 先週水曜日のこと
北広島の一市議で 明治開拓史
とりわけ寒冷地稲作の開拓者中山久蔵やその支援者松本十郎に
多大の関心を抱いて追跡している方から電話があって
この軸を解読していただきたいという依頼があったからです

解読はよいとして 二副あることについて
郷土館のパネル解説に納得のいかないことが書いてありました
これについては宿題とさせていただきましょう
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OM-4Ti

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by zuoteng_jin | 2016-11-14 18:54 | Olympus OM-4Ti | Comments(0)
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