旧拍新掃描「92年秋紹興・紹興酒醸造事情」

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紹興酒は糯米(もちごめ)とこの鑑湖(カンコ)の水が主原料です

鑑湖ははるか昔には紹興市の西南にある広大な湖だったのですが
早くから浅瀬がどんどん耕作地になって
今やこういう水路の総称として言うほかなくなりました

周囲が湖畔でふちどられる湖ではありません

いま観光旅行でガイドが鑑湖ですといって案内するのは
後に整備した風致地区であって
ある意味で復元パークです

酒を醸すのは水が肝心だと聞きますから
鑑湖の水はどんなものか見たくなったわけですが
清水というにはほど遠く
生活廃水がどんどん流れ込むネットリした水だったのです

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ここで恩師のひとりの竹内実先生が
富山で集中講義の際に私の研究室に見えて
「紹興酒はなぜ旨いかというと
実はあれは漢民族のオシッコでできているからなんだよ」
とおっしゃっていたのを思い出しました

醸造所を見たいと思っても当時は
国営醸造所の見学システムがありませんでした

そこで民営の醸造所界隈を歩いてみました

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全然酒蔵らしくはないのですが 歩いていると
麦麹の甘い香りでむせ返るようでした

下戸の私は空気を吸うだけでも酔っ払いそうです

水路に面したほうには酒ガメがごろごろしています

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いやはやとうてい清潔とはいい難い光景です

もっと後に国営の醸造所を見学した人のブログでも
足元がドロドロで不潔極まりない酒蔵だとレポートしていました

小さな女の子がカメを遊び道具にして
足を突っ込んでいるのを見た時には
驚嘆とも感動とも名状しがたい思いがしたものです

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紹興酒は鑑湖の水でなければ紹興酒ではないと
地元ではガンとしてこだわっていたのですが この10年後には
さすがに鑑湖の水で酒を醸すのはあきらめたそうです

21世紀になると生活廃水だけでなく
工場廃水も加わってとても飲用には堪えなくなってしまい
もう10年も前から水道水を使っているとのニュースが
2014年に流れて話題になりました

鑑湖水の紹興酒を味わった最後の世代
ということになったわけです

21世紀に生きるとはそういうことなんですね

by zuoteng_jin | 2016-09-24 17:32 | Olympus OM-3 | Comments(0)
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