旧拍新掃描「92年秋紹興・魯迅と偉人伝説」

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紹興で見るべきものの一つは魯迅の故家ですね

上が広いお屋敷の側面です

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これが魯迅の読者にはおなじみの百草園です

魯迅家の菜園だったのですが
魯迅が大人になった時に朱子の子孫に買い取られたそうです

中国を代表する古典思想家の朱子と
中国を代表する近代文学者の魯迅とが
家庭菜園で結びつくのが面白いです

魯迅に「百草園から三味書屋(さんみしょおく)へ」という回想記があります

三味書屋というのは魯迅故家から
道路と細い水路を挟んだななめ前にある学習塾です

魯迅は12歳から17歳までここで古典を学びました

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塾の中は普段は立ち入り禁止ですが 管理人に
魯迅先生が文字を刻み込んだ机を日本から見に来ました
そういうと「それは遠くからわざわざ さあ中へ入って」と
鍵を外して 中に入れてくれました

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十畳程度の狭い室内の東北の一隅に
「魯迅座位」とプレートがあってこれが魯迅の座席でした

魯迅が遅刻して寿鏡吾先生(右手の写真の人)からこっぴどく叱られて
今度からはきっと早く来ると誓った印に
机に「早」と刻み込んだと言います

この机椅子は 当時の習慣として
魯迅家にある私物を持ち込んだもので
傷つけることは公共物損壊にはならないのです

その字が下の画像です

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この刻字の上には保護のために
厚さ3mmほどのガラス板がありましたが(上部に写っています)
管理人さんがサッとずらしてくれました

自慢しますが これを直接撮影した例はほとんど無いようです
(紹興の観光案内サイトに使い回しの画像があります)

この20年間ぐらいは 机の手前にロープを張り回して
机に近づくことも出来なくなり
第一 部屋の中には入れないようになっています

現状では入口に「早」字の写真と説明書きが展示されているだけです

92年当時ですら非常に好意的な管理人さんだったので
去り際に日本から持って行ったタバコ CABIN を二箱進呈しました

ただしこの話は「百草園から三味書屋へ」には書かれていなくて
当時のことがもっと詳しく描かれている周作人(魯迅の弟)『魯迅の故家』にも
まったく書かれてはいないのです

机上の「早」字は本物のようですが
中国のサイトでいくら探しても
エピソードの出典が書いてありません

中国の教科書にも載っているこのお話しは
まあ後付けの偉人伝説だと考えてよいかと思います
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Olympus OM-3
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by zuoteng_jin | 2016-09-22 18:29 | Olympus OM-3 | Comments(0)
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