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雨過ぎて峰頭黒く 雲開きて日脚黄なり

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タイトルの唐詩を写真にしたような光景です

この句は西暦767年作 岑参(シン・ジン)の「李司諌の帰京を送る」の一節です

「日脚(ニッキャク)」というのは 雲間から射し込む陽光のことです

実は「日脚」という言葉の発明者は
この岑参と交友した四歳年上の杜甫でした

岑参の作品より十年ほど前
杜甫の「羌村」という詩に
「日脚 平地に下り 柴門(サイモン) 鳥雀噪(さわ)ぐ」
という句があります

「柴門」はそまつな家屋のことで
戦乱を避けるために家族を預けた親戚の家です

ある日の夕方 杜甫が
千里の向こうから家族のもとにたどり着くときの描写です

見知らぬおっさんが
雲間から漏れる夕日に照らされながらやって来たので
家の周りの小鳥たちがさわぎ始めたのです

私たちの「漢辞海」は「日脚」の出典を
杜甫の「羌村」としています
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Agfa OPTIMA 1035

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by zuoteng_jin | 2016-07-31 17:06 | Agfa Optima 1035 | Comments(0)
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