2017年 02月 26日 ( 1 )

目の不自由な奥さんを導く夫婦と「座頭市物語」

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最寄りの郵便局の前を行くご夫婦です

奥さんの目が不自由でご主人が手を引いていました

何かと不自由な思いをなさっているとは思いますが
優しいご主人の介添えに心和みつつシャッターを切りました

昨日閻連科の小説「年月日」で盲犬に呼びかける言葉「瞎子」を
翻訳ではメクラではなくメナシに訳してあると書きました

放送や出版の業界では
「めくら」は使わない方が望ましいとされているようです

しかし歴史的な言葉づかいを説明する辞書では
使わないわけにはいきません

私たちの『漢辞海』でも【盲】に「めくら」の訓をあてています

盲目と言えば座頭市が有名です

1962年封切りの勝新の座頭市映画で知られていますが
原作の子母澤寛「座頭市物語」は1948年に雑誌初出で
のち1961年に『ふところ手帖』に収められました
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私は上の中公文庫で読みました

「座頭市物語」は文庫本10頁の短編ですが
勝新の小汚いイメージとは全く異なる人物像です

天保水滸伝の飯岡助五郎と笹川繁蔵の出入りの頃
座頭市は飯岡の子分であったのですが
助五郎が卑怯な手段で繁蔵を暗殺すると その非道に我慢がならず
助五郎の前に立っていた徳利を得意の居合切りで真っ二つにすると
そのまま「盃はけえしたよ!」と たもとを分かちます

書き出しに「めくら」とありますが
子母澤寛の市の造形は尊敬に値する人格者です

言葉というのはあくまでも使う文脈によって
差別のために使われているかどうかが分かります

ある言葉を器械的に禁止用語にするというのは
私は望ましいとは思いません
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使用機材→クリック
by zuoteng_jin | 2017-02-26 18:57 | Agfa Optima 1535 | Comments(2)