自由党激化事件と小池勇

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本日のご面会様に本を差し入れていただきました

写真の本ではなく別の本ですが
それはいずれ機会があればご紹介します

写真の本は前の病院にいた時に
同じ団地の階下に住む役員仲間の方が
「祖父の自伝が書いてあるものですが
興味ありますか」
と持ってこられたもので
読了後に自分用に古書店から取り寄せたものです(1976年刊)

興味を抱いたのは この小池勇氏が
34歳から43歳までを
我が故郷にあった空知集治監に
収監されていたからです

この本の70頁ばかりが
小池勇氏の自叙伝です

自叙伝は明治30年に執筆されましたが
これが実にみごとな明治の普通文でした

ここで言う「普通」は特殊・普通の普通ではなく
普(あまね)く通じるという意味の「普通」です

幕末から明治半ば頃までは
藩ごとに方言差が大きく
標準語などはありません

書き言葉も同様で やむなく使ったのが
漢文訓読の読み下しの文体でした

それを明治普通文ないしは単に普通文と言います

明治普通文の代表的な例が
久米邦武の『米欧回覧実記』です

久米邦武は幕府の昌平坂学問所に学んだ
漢学のプロですから 書けて当たり前です

しかし小池勇氏は 尾張の小藩「久々利藩」の私塾で学んだだけの田舎侍です

それが素晴らしく達意の普通文を書いているのには 驚嘆しました

普通文の研究資料としても貴重なので
自分用に古書店から取り寄せた次第です

小池氏は漢詩も何作か残しています
詩興はともかく 押韻や平仄といった形式面がしっかりしているのにも感心しました

ご本人の語感の正しさを物語るとともに
当時の地方の私塾の水準の高さに
思いを馳せたことです

by zuoteng_jin | 2012-12-09 17:07 | AQUOS IS17SH | Comments(2)
Commented at 2017-02-05 23:07
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by zuoteng_jin at 2017-02-05 23:43
山崎様

ブログご覧いただきありがとうございます。

小池勇氏の孫にあたる方とは今でも親しくしております(私より7~8歳年長ですが)。

小池勇氏の写真は、紹介した評伝の71頁に掲載されています。44歳ごろの撮影ということです。あまり大きくはないですが、該書を図書館でご覧になることをお勧めいたします。
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