家路

c0182775_20353931.jpg

京王多摩センター駅から我が団地へ向かう家路です

写真とはまったく関係ないのですが
先日吉本隆明氏が亡くなったので
あちこちに回想が載りました

全共闘世代である私も学生のころ
『言語にとって美とはなにか』を繙きました

しかし ソシュールの構造言語学を引き合いに出して
言語の「価値」とは何かを語る出だし部分で
これは駄目だとついて行くのをやめました

ソシュールは言語の価値は絶対的なものではなく
相対的な構造関係から規定されると説きました

たとえば e は e それ自体で価値があるのではなく
a ではなく i でもないという排除関係の中で e の価値が生ずる
という具合でした

ところが『言美』によると
言語の価値とは「意味の含み」というほどのものだと言います
そしてたとえばAの文章はBの文章よりも「価値」があるとするのが
ソシュールのいう価値だと説きます

どうしたらソシュールの大事なセオリーを
ここまで曲解できるのか ひそかに不信感を抱いていました

ソシュール『一般言語学講義』を読み
『言美』を途中でやめた七~八年後
川本茂雄『ことばとこころ』(岩波新書)のなかで
その点にかかわるきちんとした批判が展開されているのを見て
ほっとしたことを覚えています

by zuoteng_jin | 2012-03-26 21:27 | RetinaIIIC Xenon | Comments(0)
<< 新生活へ スナックとカレー屋 >>